私が単発バイトをした病院は田舎にある個人で開業されている内科・循環器科医院です。日中は外来の患者であふれています。高血圧の方や風邪をひいた患者が多くいらっしゃいます。ですので、外来の患者様の血圧を測ってあげます。

丁度私が勤めた時期は夏でして、秋になるとインフルエンザの注射を接種しに来られる患者が多く、また高齢者が多いために予診表を一つ一つ読んであげたりもしました。

後は、医師の診察が終わり患者様のカルテに薬が記載されましたら、そちらの準備をします。また、私が勤めていた医院では小さな病院であるものの介護療養型施設でした。

介護療養型施設というのは、長期にわたって療養が必要な方の入所を受け入れています。入所が可能な限り自宅で自立した日常生活を送ることができるように必要な医療、介護を提供しています。

入院患者のほとんどが高齢者で、寝たきりの患者が多いためおむつ交換が必須でした。こちらは数時間起きの仕事になります。そして、食事も介護が必要になります。最初はどんな事をお話ししてお食事させてあげればいいかわからなかったのですが、実際には何でも良かったのです。何も話しかけずに食べさせるのではなくて、会話が出来なくても、声をかけてあげる、優しく微笑んであげる、それだけでも患者さんが笑顔になりコミュニケーションがとれるような気がしました。

看護のバイトをするにあたって、気をつける事も多々あります。それは、一緒に働くほぼ全員が女性であるということです。やはり、一人一人プライドを持ってやっていますので時にぶつかって話しをしているナース達もおります。長年その筋でやっている方はやはり引きませんし、気が強く、もはや大奥のようなものを感じさせます。ですので、入りたてはすごくあれやって、これやって、と雑用をいいつけられたりもします。

そこでポイントになってくるのは、婦長を味方につけれるかだと思います。気に入られればいじられるの極端に短い期間で済みます。最初からぶつかっていけばずっと雑用係です。本棚の整理やトイレ掃除、ブラインドの掃除だってさせられてしまいます。気づかいや、謙虚さを常に持ち続ければきっと良き人間関係が築けるものだと思います。

そして、入浴介助もしました。入浴介助ではお風呂に入る日は週に2回程度ですが、やはり身体が思うように動かせない患者がほとんどですので、常に大仕事の上二人がかりで行います。夏場は本当に汗だく仕事です。中には大きい患者さんもいるので、太めの患者さんを相手にするのは本当にキツイものがありました。

それから、寝たきりの患者さんの気をつけなくてはいけないのが床ずれです。ですので、体位交換も欠かさず行います。常に患者さんへのいたわりや思いやりを持ち続ける、それが看護師の仕事です。

他には夜勤の担当ですと、夜勤明けには医師に患者さんの様子を記録したものを朝報告します。夜勤担当時はスタッフも少ないので心細くなりますが、気合いで乗り切りました。

あとは辛かった体験を思い返しますと、私がいた病院は何せ個人医院で外務、雑務の担当はおりません。なんと、冬になり雪が降ると駐車場には雪が朝晩30センチ程一面を覆いつくします。それを除雪し、また車に積もった雪ももちろん自分達ではらいます。朝晩通勤時間の他に30分は余計に奪われてしまいます。給料には反映されません。雪国に住んでいる為の災難です。

他には、食事に利用される野菜などは自分達で菜園していました。じゃがいも、なす、トマト、人参、夏場は交代で草むしりにも出かけ、収穫もしました。あとは行事によって、七夕であれば大きな竹の竿に短冊を飾りつけたり、クリスマスにはツリーを飾り、ひな祭りには着物をきて患者さんに見せたりしました。各行事に合わせてディスプレイしてあげるのもやはり重要で、普段同じ空間にいてちょっと工夫するだけで患者さんの中に季節感が味わえるものだと思います。また、お見舞いにいらっしゃるご家族の方々にもディスプレイを変えたときには喜んで頂けました。一つ一つの細かな作業がまとまると大きな感動得られると、私はここにきってやっと学べた気がしました。

それから、入院患者さんのお薬ですが、当医院では処方箋が発行されるために、すぐ隣の薬局まで走ります。こちらも冬場は大変ですぐ雪が積もってしまいますので薬を取りに行くだけでもちょっと重労働な気分になりました。

このお仕事をして一番感じたことは、ありがとうという言葉の重みです。自分が苦労しているせいなのか、患者さんやそのご家族から頂けるありがとうという言葉は紛れもなく心を癒す力がありました。普段友達とかと交わすありがとうがこんなにも違って受けとれる言葉なんだと衝撃をうけました。最後に、私はこの医療の現場における看護のバイトが出来て本当に沢山のことを学べたし、人生にとっても大人になれたような気がしました。