新しい薬や新しい治療方法についての効果や安全性を確認して国の承認を得ることを目的に実施される臨床試験のことを治験と言います。CRCとは治験を行う上で重要なスケジュールを調整・管理したり、治験中の患者のサポート等を行う仕事です。

CRC(治験コーディネーター)は誰でもなることができる

CRCには特別な資格は必要ありません。ですが実務の中で専門性が問われるため、看護師、臨床検査技師、薬剤師といった医療系資格や病院での臨床経験を有する方のように、医療系の知識や医療機関の仕組みを理解している方がその役目を果たすことが多いようです。

特に研究機関である大学病院では多くの治験を実施しており、治験を実施する上でCRCの重要性ややりがいを見出し転職する看護師も少なくありません。治験に関わる多職種の方や患者とのコミュニケーション能力、また様々な予期せぬトラブルを未然に防ぐ判断力などが求められるため、病棟勤務のように患者と直接接する仕事ではありませんが、新薬を安全に世に送り出すうえで、非常に重要な役割を担っています。

CRC(治験コーディネーター)はまだまだ将来性のある仕事

CRCはまだまだ歴史が浅く、これからさらに需要が高まる職種だと考えられます。未経験でも就職可能であり、看護師や薬剤師などの医療関連の資格を有していれば応募することができる点で間口の広い職業だと言えます。新しいキャリアを目指したい人も一歩を踏み出しやすいでしょう。

CRCは長く働けばこれから収入があがる可能性大

CRC自体が歴史の浅い仕事のためこれからどれほど収入が伸びていくのかは未知数です。

また、病院や所属する会社によって一般看護師(平均約430万)以下であったり、夜勤をしていた頃よりも高収入となる場合もあります。勤続5年で約500万を超える収入を得られる場合もあるのでよく情報収集し吟味する必要があります。

CRCは土日も休める

CRCは看護師からの転職が多いため病棟勤務と比べて良い点も多くあります。病棟看護師は夜勤や早出など不規則な勤務体系となっていますが、CRCは夜間の勤務はほとんどなく土日祝日が休めると見込まれます。治験はスケジュール通りに進むので突然の休日出勤などもありません。夜勤もある看護師からすると夢のような勤務体系です。

もちろん、勤務する会社などによっては残業などはあると思われますが、365日すでに決まっているシフトで予定が立てやすいことはCRCの大きな魅力ではないでしょうか。

CRCになるにあたって気を付けておきたいこと

先述した看護師からの転職が多いこの職業ですが、看護師時代の技術が活かせない場面も出てきます。患者とのコミュニケーション技術が問われる一方、採血などの看護行為を行う機会はありません。

CRCからの説明を受け、採血・検尿・体重測定・血圧測定など決まった日時で医師指示のもと病棟看護師が行います。また、デスクワークが増えることもバリバリと働いていた病棟での業務とギャップのある点です。

場合によっては全国を飛び回ることも

実際に治験自体は各病院施設で行われるため、場合によっては全国を飛び回ることもあります。交通費などは出ると思うので、出張が苦手な方はよく考える必要があるかもしれません。

病棟看護師から見たCRC

院内に治験チームをもつ大学病院などでは院内の病棟看護師がCRCとなる場合もあります。導入からその後のケアに至るまですべてスケジュールを組まれた冊子を作成し、医師・薬剤師・看護師など多職種と連携をとるため院内を駆け回っている印象がありました。

病棟看護師として治験に携わっていたためどこに注意して治験を進めていけば良いのかよく理解して説明されておりよりスムーズに行うことができていました。

また、医師とも連携を密にとる点では病棟看護師とCRCは同じであり、また慣れた看護師であることで医師も質問や報告を気兼ねなくできていたように感じました。採血や時間通りにされていない、治験薬を飲む時間が大幅にずれてしまったなど少しでもスケジュール通りにいかないことで治験は途中で中止となります。

こうしたコミュニケーション技術や調整能力は非常に大事であり、病棟看護師として治験におけるCRCの大切さを痛感します。

CRCに転職するかどうかを決めるうえで考えておくべきこと

CRCは世の中に新しい薬剤を提供するためになくてはならない存在ではありながら、一般的にどのような業務内容であるのかは見えにくい部分があります。治験に出会う機会がありその存在を知ることで興味を持ったり、看護師や薬剤師など関連のある業務についたのちに知ることもあるでしょう。

どの職種にもメリット・デメリットがあるようにCRCにも病棟看護師と比べて厳しいシフトがない反面、出張の機会が増えるなど自分にとってどこに重きを置くのかよく検討し判断する必要があります。自分の性格や、これからなりたい将来の展望など広い視野をもって決めていくことが大切です。まだ歴史の浅い職種であるからこそ、多くの方に挑戦してもらいたい職種だと考えます。